とある平日の出来事である。
俺は色々お仕事が立て込んでいた為、深夜にタクシーに乗って帰る事になったのだが、甲州街道沿いで拾ったタクシーのおっさんのうるさい事うるさい事!!
そのうるささっぷり、おそらく皆さんが考えている十倍はひどい代物である。これはもはや『言葉』の、いや、『騒音』という名の暴力である。
そしておっさんは俺が聞いているのか、聞いていないのかも構わず、ある体験談をまくし立てた。その内容とは・・・
「ある夜中に、一方通行の道を走っていたら女性が助けを求めてきた。中に乗せて話を聞くと、ストーカーに追われている、ここ何日も同一人物が後をつけてきているのです、との事。おっさんは、後をつけているだけでは犯罪者にはならないよ、と無慈悲な言葉を女性に浴びせて、嫌がる女性をその場で降ろしてしまった。」
これを阿呆のような大声で、何故か自慢げにまくし立てる。運悪く、その日は俺の機嫌が絶好調に悪かった。話の内容にもムカついたし、おっさんのうるささにも頭がきていた。
そんなこんなで、適当な相づちにも限界がきていて、本当に何年かぶりに声を荒げてしまった。
「うるせぇよ!!黙って運転しろや!!」
・・・謝罪(おっさん)・・・・そして沈黙。
家まで歩いて帰れるな、と判断した距離で早々に降ろしてもらい、乗車代を投げるように払い、お釣りも受け取らず領収書も受け取らず・・・。そして降りてから後悔・・・。
言い足りなかったな・・・と。
話の内容についてである。おっさんの内容からすると、女性は明らかに何日間もストーカーに追われていたようで、それは既に立派な犯罪である。おっさんはその女性を降ろすべきではなかったのである。
自慢げに話すような内容ではないし、自分が正しい事をしたと思い込んでいるおっさんには、もっと噛み付いても良かったかな・・・などと考えて、さらに不機嫌になった。
今、思い出しても怒りが止まない。
その女性が無事な事を祈る。
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